重版の勢いが止まらないくどうれいん
本人持ち込み企画は熱望の「恋」の短歌集
くどうれいんはいま最も注目されている作家の一人。20〜30代の女性を中心に幅広い層からの支持を得て、新刊は常に瞬く間に版を重ね続けている。石川啄木の故郷・岩手県渋民に生まれた歌人でもあり、今年コスモス短歌会の「桐の花賞」を受賞した。
染野太朗は歌壇からの信頼も厚い歌人。 3冊の歌集を出版しており、『NHK短歌』選者を務めたり、新聞の連載や短歌専門誌等で短歌評を執筆している。
染野の第三歌集『初恋』に感銘を受けたくどう自ら染野にコラボレーションを打診。ヌメロ・トウキョウ編集部に企画を持ち込んだことが今回の書籍のきっかけになった。
「染野さんの『初恋』を読んで雷に打たれたんです。
わたし、短歌でもっと本気で『恋』を詠んでみたいって。
それが出来るとしたら染野太朗とだろうって確信があって。
連載これ以上増やしちゃダメだったけど、『構うもんか、やろう染野さん!』って」(くどう)
「くどうさんは本当に一貫して突き抜けようとしていた。やるからには出し切るよって僕も思いました」(染野)
シンプルな言葉から情景が浮かび上がる。
映画のような短歌集
二人の短歌の誰も置き去りにしないシンプルな⾔葉から驚くほど深い情景が浮かび上がる。⾳や匂い、湿度まで感じられるような体験はまるで映画を観ているかのよう。短歌初心者でも大丈夫。椅子に座り、それを眺めるだけであなたの恋のことを想うはず。追う恋、待つ恋、⽢い恋、怖い恋、苦しい恋…さまざまな恋が詰まった、ショート・フィルムのような作品に仕上がった。
どこから開いてもOK!
短歌初心者にも自信を持っておすすめできる一冊
「ふれる」「日曜日」「キッチン」といった日常のシーンや「クリスマス」「海」「水族館」などデートのシーンを舞台に、追う恋、待つ恋、甘い恋、怖い恋、苦しい恋…などさまざまな恋を描いた。誰しもがぴったりの1首に出合える一冊。日々忙しくじっくり腰を落ち着けて本を読むことが難しい方もつまみ食いのように楽しめる。パッと開いておみくじのように今日読むページを決めても。歌集を手に取ったことがない人の入門編やギフトにもぴったりの一冊だ。
俵万智が推薦!
連載および書籍は、『サラダ記念日』で短歌に革命を起こし、現在は『生きる言葉』が大ヒット中の俵万智も絶賛。下記のようなコメントを寄せている。
「素晴らしすぎて、恋の歌を引退しそうになった。言葉の奥に、もどかしい生身の息づかいが聞こえる」俵万智
装丁は北岡誠吾
装丁は連載から引き続きグラフィックデザイナーの北岡誠吾が担当。短歌を丁寧に読み込む彼は著者二人からの信頼も厚い。
著者登壇イベント決定!
2025年9月21日(日)に東京で、10月11日(土)に大阪でトークショー&サイン会を予定。イベントの詳細は後日発表となる。
『恋のすべて』概要
I. テーマ別の恋
ふたりが短歌5首を送り合うメインパート。
1日1テーマ読むような楽しみ方も。
ふれる/Yellow/DENIM/Sea/日曜日/嫉妬/Chiristmas/やさしさ/会話/東京/3/水族館/キッチン/KISS /永遠
Ⅱ. 臨場感あふれる即興 ※書き下ろし
贈答歌として実際にふたりが喫茶店で1時間で詠みあった短歌を収録。
Ⅲ. 贅沢な新作30首!※書き下ろし
読み応えたっぷりの30首の連作。二人がたどり着いた「恋のすべて」とはーー。くどうれいんと染野太朗の恋の短歌の真骨頂。
・くどうれいん『川面』
・染野太朗『蛍』
【書誌情報】
『恋のすべて』
・作者/くどうれいん 染野太朗
・発売日/2025年9月19日予定
・定価/1,870円(本体1,700円+税10%)
・ISBN/9784594101138
・体裁/四六版
・発行/株式会社扶桑社
書き下ろしもたっぷりで、小誌連載を追いかけてくださった読者にとっても読み応えのある一冊になる予定だ。
ぜひお近くの書店、もしくはネット書店にてご予約を。
(*書店により予約を受け付けていないお店もございます)
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Text:Mariko Kimbara
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